児島善三郎 略年譜
明治26（1893）年
2月13日、福岡県福岡市中島町に児島善一郎の長男として生まれる。
2月13日、福岡県福岡市中島町に児島善一郎の長男として生まれる。
本名は兒島であるが、後年自ら児島の表記を用いるようになった。
明治45（1911）年 19歳
3月、福岡県立中学修猷館を卒業、画家を志望しつつ、
長崎医学専門学校薬学科に入学する。
長崎医学専門学校薬学科に入学する。
大正2（1913）年 20歳
長崎医学専門学校を中退し、
画家を志して上京、駒込の染井に住む。
画家を志して上京、駒込の染井に住む。
大正3（1914）年 21歳
岡田三郎助の本郷洋画研究所に通学し制作研究に励んだが
過労のため病をえて翌年帰郷する。
過労のため病をえて翌年帰郷する。
大正9（1920）年 27歳
５年間の闘病生活が続いたが、病気が恢復した後、
再び上京し板橋に居を定めて制作を始める。
再び上京し板橋に居を定めて制作を始める。
大正10（1921）年 28歳
春、代々木に転居する。
9月、第8回二科会展に《十一月風景》《早春の下板橋附近》
《雪景》《麻繰工場のある風景》《早春の池畔》を初出品初入選。
《雪景》《麻繰工場のある風景》《早春の池畔》を初出品初入選。
大正11（1922）年 29歳
3月、平和記念東京博覧会に《肖像》を出品し、褒状を受ける。
9月、第9回二科会展に《裸女》《代々木風景（冬）》《春近き郊外》
《浅き春》《横臥像》を出品し、二科賞を受ける。
《浅き春》《横臥像》を出品し、二科賞を受ける。
この年、代々木初台572（現・渋谷区初台2-30）にアトリエが完成する。
代々木初台で輸入商をしていた石原雅夫が主催するアンボール会で、フランス語を学ぶ。
大正12（1923）年 30歳
9月、第10回二科会展に《花を持てる若き女の立像》《窓外早春》を出品。
この頃基礎的な研究に専念するため外遊を決意する。林武と萬鐵五郎の円鳥会に参加。
大正14（1925）年 32歳
3月、門司出帆の鹿島丸で宿望の渡欧の途に就き、
パリにアトリエを構え制作するかたわら日本に作品を送り発表する。
パリにアトリエを構え制作するかたわら日本に作品を送り発表する。
在仏中スペイン、イタリア、ベルギー、イギリス、ドイツの各地を旅行。
9月、第12回二科会展に《堰のある風景》《ロアン河畔》を出品。
昭和3（1928）年 35歳
7月7日。パリを出立、帰途につき、7月末、シベリア鉄道経由で帰国。
9月、第15回二科会展に《立てるソニア》《横臥》等
滞欧作22点を特別陳列として発表する。
滞欧作22点を特別陳列として発表する。
昭和4（1928）年 36歳
9月、第16回二科会展に《パノラマ》《六月》《五人の女》
《臥す》《立つ》《目》《粧》を出品、二科会会員となる。
《臥す》《立つ》《目》《粧》を出品、二科会会員となる。
昭和5（1930）年 37歳
9月、第17回二科会展に《マンチリヤを着けたる舞踏家高田せい子氏像》他を出品。
11月、二科会を脱会し、林重義、里見勝蔵、林武、高畠達四郎、
三岸好太郎、川口軌外、小島善太郎、中山巍、鈴木保徳、伊藤廉、
清水登之、福沢一郎、鈴木亜夫等とともに独立美術協会を創立する。
三岸好太郎、川口軌外、小島善太郎、中山巍、鈴木保徳、伊藤廉、
清水登之、福沢一郎、鈴木亜夫等とともに独立美術協会を創立する。
昭和6（1931）年 38歳
1月、第1回独立美術協会展に《独立美術首途（第二の誕生）》
《横臥》《青いソファ》《赤い背景》《長椅子の上に》《立像》
《プロフィル》《黄色のソファ》《二月の郊外》《五月》
《山水》《女の顔（彫刻・A）》《女の顔（彫刻・B）》を出品。
《横臥》《青いソファ》《赤い背景》《長椅子の上に》《立像》
《プロフィル》《黄色のソファ》《二月の郊外》《五月》
《山水》《女の顔（彫刻・A）》《女の顔（彫刻・B）》を出品。
9月、第1回独立美術協会秋季展に《紅衣の婦人》他を出品。
昭和7（1932）年 39歳
3月、第2回独立美術展に《臥女》《庭の雪》《春待つ庭》
《サンルームの見える裸体》《無衣の女》《青空》《首飾りと女》
《座したる女（裸体）》《肖像》を出品。
《サンルームの見える裸体》《無衣の女》《青空》《首飾りと女》
《座したる女（裸体）》《肖像》を出品。
昭和8（1933）年 40歳
3月、第3回独立美術展に《鏡》《春》《曇る上高地（徳本峠）》
《新春の庭》《朝の庭》を出品。
《新春の庭》《朝の庭》を出品。
昭和9（1934）年 41歳
3月、第4回独立美術展に《山麓の秋》《初秋》《松が枝》
《赤松の丘》《雪後》《山嶺の秋》《庭（秋の午後）》を出品。
《赤松の丘》《雪後》《山嶺の秋》《庭（秋の午後）》を出品。
昭和10（1935）年 42歳
3月、第5回独立美術展に《山路》《滝壺》《庭の松》
《老松》《庭の初春》《代々木の原》《瀬戸風景》を出品。
《老松》《庭の初春》《代々木の原》《瀬戸風景》を出品。
昭和11（1936）年 43歳
代々木から現・国分寺泉町一丁目（旧・北多摩郡国分寺多喜窪2386番）に居を移す。
3月、第6回独立美術展に《岩と松》《瀬戸の風景》《初夏の池》を出品。
昭和12（1937）年 44歳
3月、第7回独立美術展に《渓流・A》《渓流・B》《残雪》《松》を出品。
昭和13（1938）年 45歳
3月、第8回独立美術展に《函根峠》《山湖》《菊》《箱根》《ダリア》を出品。
11月、東京、資生堂画廊において児島善三郎近作展を開催し、
《仲秋》《炎天》《初夏》《さみだれの頃》《小径》《雲仙》
《庭の雨》《水田初夏》《湖畔》等を出品。
《仲秋》《炎天》《初夏》《さみだれの頃》《小径》《雲仙》
《庭の雨》《水田初夏》《湖畔》等を出品。
昭和14（1939）年 46歳
3月、第9回独立美術展に《富士清朗》《風景》《蓮花》《春待つ農家》《東風》を出品。
昭和15（1940）年 47歳
３月、第10回独立美術展に《菊》《武蔵野》《ダリア》《涼風》《ダリア》を出品。
昭和16（1941）年 48歳
3月、第11回独立美術展に《ダリア》《菊》《寒空》《虞美人草》を出展。
昭和17（1942）年 49歳
3月、第12回独立美術展に《箱根秋晴》《夏草》《菊》《早春》《菊》を出品。
昭和18（1943）年 50歳
3月、第13回独立美術展に《静波》《アネモネ》《厳冬》《ダリア》《岬》を出品。
昭和19（1944）年 51歳
2月、第14回独立美術展に《秘園》《菊》《富士早春》を出品。
昭和22（1947）年 54歳
4月、第15回独立美術展に《菊花》《M氏像》《雪景》《立春》《熱海の桜》を出品。
昭和23（1948）年 55歳
5月、第2回美術団体連合展に《満開》を出品。
10月、第16回独立美術展に《牡丹》《青田》《アネモネ》《ダリア》を出品。
昭和24（1949）年 56歳
5月、第3回美術団体連合展に《早春》を出品。
10月、第17回独立美術展に《静物》《ダリア》《静物》《虞美人草》《静物》を出品。
昭和25（1950）年 57歳
3月、第1回秀作美術展に《壷のある静物》を出品。
5月、第4回美術団体連合展に《花》《春遠からじ》を出品。
10月、第18回独立美術展に《夏山》《静物》《立秋》を出品。
昭和26（1951）年 58歳
1月、第2回秀作美術展に《花》《春遠からじ》を出品。
5月、第4回美術団体連合展に《緑の丘》を出品。
10月、第19回独立美術展に《老松》《アルプスへの道》を出品。
荻窪に画室を新築し、国分寺から移る。
荻窪に画室を新築し、国分寺から移る。
昭和27（1952）年 59歳
1月、第3回秀作美術展に《アルプスへの道》を出品。
5月、第1回日本国際美術展に《芦之湖秋暉》を出品。
10月、第20回独立美術展に《高原》《百合》を出品。
昭和28（1953）年 60歳
９月、国立公園絵画展に《発哺よりの展望》を出品。
10月、第21回独立美術展に《ダリア》《立雲》《犬吠岬》を出品。
11月、サヱグサ画廊において個展を開催し、《犬吠岬》《燈台》その他、約15点を出品。
昭和29（1954）年 61歳
1月、第5回秀作美術展に《犬吠岬》を出品。
5月、第1回現代日本美術展に《ミモザと百合その他》を出品。
10月、第22回独立美術展に《百合》《海芋と麒麟草》《トリトマ・虞美人草など》を出品。
昭和30（1955）年 62歳
1月、第6回秀作美術展に《海芋と麒麟草》を出品。
5月、第3回日本国際美術展に《椿》を出品
10月、第23回独立美術展に《女と花》を出品。
昭和31（1956）年 63歳
5月、第２回現代日本美術展に《雪柳と海芋と波斯の壷》を出品。
10月、第24回独立美術展に《座像》を出品。
昭和32（1957）年 64歳
1月、第8回秀作美術展に《雪柳と海芋と波斯の壷》を出品。
5月、第4回日本国際美術展に《熱海》を出品。
10月、第25回独立美術展に《熱海夜景》《婦人座像》《熱海夜景》を出品。
昭和33（1958）年 65歳
1月、第9回秀作美術展に《熱海夜景》を出品。
同月、ヨーロッパ巡回日本現代絵画展に《ミモザの花その他》《山湖》《アルプスへの道》を出品。
2月、第2回国際具象派美術展に《箱根》を出品。
10月、第26回独立美術展に《花》《少女座像》《森と聚落》を出品。
昭和34（1959）年 66歳
1月、第10回秀作美術展に《森と聚落》を出品。
10月、第27回独立美術展に《青衣》《熱海》《花》を出品。
同月、朝日新聞社主催により東京銀座松屋において児島善三郎自選展を開催、
《新緑》《五人の女》《独立美術首途（第二の誕生）》《春遠からじ》
《アルプスへの道》《犬吠岬》《森と聚落》等絵画100点彫刻2点計102点を出品。
《新緑》《五人の女》《独立美術首途（第二の誕生）》《春遠からじ》
《アルプスへの道》《犬吠岬》《森と聚落》等絵画100点彫刻2点計102点を出品。
昭和35（1960）年 67歳
1月、第11回秀作美術展に《花》を出品。
4月、第3回国際具象派美術展に《紅衣》を出品。
5月、第4回現代日本美術展に《伊豆山早春》を出品。
同月、東京日本橋画廊において児島善三郎新作展を開催し、
《薔薇（ペルシャの壷）》《早春山麓》《早春（梅）》《芦ノ湖の秋》
《熱海》《熱海山手》《早春山荘》《熱海（雲）》等32点を出品。
《薔薇（ペルシャの壷）》《早春山麓》《早春（梅）》《芦ノ湖の秋》
《熱海》《熱海山手》《早春山荘》《熱海（雲）》等32点を出品。
10月、第28回独立美術展に《ダリア》《コッポ編のスェーター》を出品。
昭和36（1961）年 68歳
1月、第12回秀作美術展に《熱海》を出品。
10月、第29回独立美術展に《西伊豆》を出品。
この頃、再び渡欧を決意、徹底的な治療をするため、
2月千葉県稲毛の額田病院に入院、療養に専念する。
2月千葉県稲毛の額田病院に入院、療養に専念する。
昭和36（1962）年 69歳
1月、第13回秀作美術展に《西伊豆》を出品。
3月22日午前10時25分、額田病院に未完の絶筆《花》
《婦人像》《バラ》等を残して肝臓がんのため逝去す。
法名・即心院玄誉美観善勝居士。
《婦人像》《バラ》等を残して肝臓がんのため逝去す。
法名・即心院玄誉美観善勝居士。
5月、西日本新聞社の主催により児島善三郎画伯追悼展が開催され、５９点が展観される。
（於：博多大丸・福岡）
昭和39（1964）年
4月、国立近代美術館と児島善三郎遺作展委員会の共催により、
児島善三郎遺作展が開催され、130余点が展観される。
（4・4−5・17 於：国立近代美術館、5・21−6・14 於：国立近代美術館京都分館）
児島善三郎遺作展が開催され、130余点が展観される。
（4・4−5・17 於：国立近代美術館、5・21−6・14 於：国立近代美術館京都分館）
昭和45（1970）年
９月、大阪フォルム画廊主催により、児島善三郎名品展が開催され、
滞欧作以後の作品51点が展観される。
滞欧作以後の作品51点が展観される。
（9・8−19 於：ギャルリー・ためなが・東京、9・26−10・1
於：丸栄美術画廊・名古屋、10・12−21 於：大阪フォルム画廊福岡支店）
於：丸栄美術画廊・名古屋、10・12−21 於：大阪フォルム画廊福岡支店）
昭和46（1971）年
10月、北九州市教育委員会主催により児島善三郎展が開催され、70点が展観される。
（10・17−11・3 於：北九州市立八幡美術館）
昭和47（1972）年
4月、日本経済新聞社主催により児島善三郎展が開催され、93点が展観される。
（4・18−23 於：高島屋・日本橋）
昭和51（1976）年
11月、福岡県、福岡県教育委員会、福岡県文化会館の主催により、
児島善三郎展が開催され、油彩画96点、水彩画・デッサン23点、彫刻4点計123点が展観される。
児島善三郎展が開催され、油彩画96点、水彩画・デッサン23点、彫刻4点計123点が展観される。
（11・14−12・5 於：福岡県文化会館）
昭和53（1978）年
9月、児島善三郎展実行委員会、北海道新聞社主催により、
児島善三郎展が開催され、129点が展観される。
引き続き神戸新聞社主催で神戸でも開催される。
児島善三郎展が開催され、129点が展観される。
引き続き神戸新聞社主催で神戸でも開催される。
（9・1−13 於：そごう・札幌、9・22−27 於：そごう・神戸）
昭和61（1986）年
5月、「児島善三郎鑑賞展」が開催される。
（5・23−6・4 於：日動画廊）
平成元年（1989）年
11月、日本経済新聞社主催により児島善三郎展が開催され、油彩68点が出品される。
（11・15−12・3 於：奈良そごう美術館）
同月、「児島善三郎 水墨・水彩画」展に《田園図》など27点が出品される。
（11・24−12・6 於：兒島画廊）
平成5（1993）年
７月、児島善三郎実行委員会主催により「生誕一〇〇年記念 児島善三郎展」が開催される。
（7・14−8・8 於：福岡市美術館、8・20−9・12
於：千葉そごう美術館、9・18−10・31 於：茨城県近代美術館、11・17−12・5
於：小田急美術館、1994・1・4−2・6 於：三重県立美術館）
於：千葉そごう美術館、9・18−10・31 於：茨城県近代美術館、11・17−12・5
於：小田急美術館、1994・1・4−2・6 於：三重県立美術館）
平成9（1997）年
5月、「児島善三郎展 —アトリエにて―」展が開催され、
《スツールの前の裸婦》など油彩13点が出品される。
《スツールの前の裸婦》など油彩13点が出品される。
（5・12−31 於：兒島画廊）
平成10（1998）年
5月、「児島善三郎秀作展」が開催され、《青衣の母像》など13点が出品される。
（3・25−31 於：大分県・武蔵町立図書館）
10月、渋谷区立松濤美術館にて、「特別展 児島善三郎 日本的油彩画の創造者」が開催される。
（10・6−11・23 於：渋谷区立松濤美術館）
平成13（2001）年
5月、兒嶋画廊にて、「凸版印刷株式会社 現代日本洋画アーカイブ
登録記念 児島善三郎展」が開催される。
登録記念 児島善三郎展」が開催される。
（5・24−6・23 於：兒島画廊）
平成14（2002）年
4月、兒島画廊にて、「歿後四十年記念 児島善三郎展
—帰朝後の裸婦像・1928年〜‘33年—」が開催される。
—帰朝後の裸婦像・1928年〜‘33年—」が開催される。
（4・1−20 於：兒嶋画廊）
平成15（2003）年
3月、兒島画廊にて、「生誕110年記念 児島善三郎展 『花を描く』」が開催される。
（3・3−29 於：兒嶋画廊）
平成18（2006）年
3月、兒島画廊にて、「児島善三郎展 荻窪時代 1951〜1962 久遠の生命の把握」が開催される。
（3・1−18 於：兒嶋画廊）
11月、「博多が生んだ天才洋画家 児島善三郎展」が開催される。
（11・1−11・7 於：天神大丸西館6階アートギャラリー、福岡市）
平成19（2007）年
６月、府中市美術館・北九州市立美術館の主催により、
「田園の輝き 児島善三郎」展が開催される。
「田園の輝き 児島善三郎」展が開催される。
（6・2−7・16 於：府中市美術館、7・22−8・26 於：北九州市立美術館）
６月、京王百貨店にて、「近代洋画の巨匠 児島善三郎作品展」が開催される。
（6・2−7・16 於：京王百貨店新宿店６階、京王ギャラリー）
10月、「福岡三越美術画廊10周年記念 坂本繁二郎・児島善三郎 二人展」が開催される。
（10・2−8 於：福岡三越９階、美術画廊）
11月、「児島善三郎展」、「同時開催：九州出身の洋画家物故作家展」が開催される。
（11・28−12・4 於：小倉井筒屋新館７階、美術画廊）
志賀秀孝編
児島善三郎の年譜については「児島善三郎年譜」（田中善明編）『生誕百年記念—児島善三郎展（図録）』（平成5年）が最も詳しい。詳細はそちらをぜひご参照いただきたい。本稿では、児島善三郎の全体像が分かりやすい「児島善三郎略年譜」『児島善三郎水墨水彩画集』（平成元年、兒嶋画廊）を参考に生年から没年までを略述した。
